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中の人のお遊び:サーバーシステムの一般論

概要

本ページでは一般論としてWebサイトの仕組みや挙動の説明を通じて、『どうして公式サイトを自動監視できるのか?』『公式サイトは何故こういった行為をシステム的に防止しないのか?』という疑問に対して『ある側面からの回答』を記載しておきます。 直接的に予約サイトの詳細な仕組みの話ではありませんし、具体的な実装方法やプログラム自体は掲載しません。 あくまでも、こういう仕組みなのか、という豆知識程度です。 ちなみに一部操作に関してはPCのブラウザを想定していますが、特に何か操作しながら読むページでもないので『そういうものなのか』とスルーしてもらってOKです。

もちろん、こういった話に興味がある人はIT界隈に入門して手に職をつけるのも悪くない選択肢かも知れませんね。

それと、内容に関して疑問や質問あるいはツッコミ等がありましたら中の人にマシュマロでメッセージを送っておいてください。 あまり具体的なことは答えられない可能性が高いですが、必要に応じてこのページかTOPのマシュマロにお返事にて回答いたします。

基本的な用語

ブラウザとサーバーの基礎

判っているようで判っていないかも知れない、ブラウザとサーバーの関係性に関する説明です。

Webページとブラウザ

まず当然のこととして、ブラウザでは色々なページを表示可能ですね。 そして、ご存じの方も少なからず居るかと思いますが、PCのブラウザなら『画面上で右クリック→ソースの表示(ブラウザによって多少表現は異なる)』とすると、表示されているページの本来の内容を見ることが出来ますね。 ここに表示される文字列がいわゆるHTMLと呼ばれている情報で、ここに記載されている内容に沿ってブラウザは文字の装飾やレイアウトを決めて画面上に表示しています。

しかし、HTMLは原則としてテキスト(文字情報)形式なので、画像や動画のような情報を直接扱うことが出来ません。 これらの情報は『別途ファイルを読み込んで画面上にレイアウトして表示』するようにHTMLには記述されています。 この仕組みと類似する方法で、レイアウトや文字装飾のスタイル設定だけをまとめたファイルや、ページ内の動きや仕組みを記載したソースコード(いわゆるプログラム)のファイル等もHTMLとは別のファイルとして記述しておくことが多いですね。

つまり『1つのWebページは複数のファイルで構成されていて、それらは原則として全てインターネットから取得してくる』という仕組みとなります。 当たり前のことのようですが、この『インターネットから取得してくる』というのがポイントです。

基本的にインターネットから取得してくるという部分はHTMLの取得と同様に、ブラウザが『情報をください』と依頼を送信(リクエスト)して、サーバーが『情報はこれです』と結果を返信(レスポンス)する、という仕組みになっているという点です。 例外的な通信方法はもちろん色々あるのですが、一般的なWebページでは基本的にブラウザ側が最初にリクエストをサーバーに送信して、サーバー側が結果をレスポンスする仕組みとなります。 頼まれもしないのにサーバー側からブラウザに情報を送信したり、サーバー側が勝手にブラウザ側の情報を抜き取ったりは出来ません、あくまでも『ブラウザ側のリクエストから始まる』と考えておいてください。

もちろん『ブラウザ側のリクエストから始まる』とは言え、必ずしも全てのリクエストがユーザーのブラウザ操作を必要とするとは限りません。 例えば前に記載したように最初にHTMLを読み込むとブラウザが中身を解釈して、自動的に『画像をちょうだい』『動画をちょうだい』とリクエストをしてサーバー側から必要な情報を読み込みますよね? それでも、全体の動きから見れば、最初にブラウザが『こういう情報をちょうだい』とリクエストして、その結果をサーバー側から受け取る、という形式は同じということです。

また、ここで言う『情報ちょうだい』には『サーバー側でホニャララの処理をした結果の情報をちょうだい』というリクエストも含まれます。 つまり、言い換えるとブラウザはサーバーに対して『こういう処理をサーバーで実行して(そして処理結果の情報をちょうだい)』というリクエストをして、サーバー側に処理をさせているイメージになりますね。

この辺は公式予約サイトに限らず、一般的なWebサイトであれば大半はこの仕組みで動いていると考えて良いでしょう。

Webページとプログラム動作

本来、IT屋さん的にあまり『プログラム』という用語を使うケースは多くないのですが、ここでは判りやすさ優先ということで…。 Webページ上でのプログラム的な動作、つまり情報を表示するだけではなく何らかの操作に対してページ内の情報や状態に動きがあるような部分に関する話です。

色々と説明の方法はあるのですが、ここではプログラム的な動作を『どこで動作しているか』という観点で大きく2つに分けて説明します。 つまり、ブラウザ側で動作する部分と、サーバー側で動作する部分です。

例えば、公式の予約サイトをイメージして考えると、以下のような分類ですね。

まず当然のことながら、ブラウザ側での処理は基本的に利用者のPCやスマホ上のブラウザで動作します。 よって、一度ブラウザがプログラム全体をサーバー側から読み込む必要があります。 つまり、ブラウザの内部的には『このプログラムをちょうだい』とリクエストしてサーバー側からプログラムをダウンロードしてすぐに実行しているようなイメージです。

これに対して、サーバー側のプログラムはサーバー側の内部で実行されていますので、ブラウザ側(つまりはユーザー側)ではどんな処理がどのように実行されているのかを知ることは出来ません。 ただ、ブラウザによる『こういう情報をちょうだい』というリクエストの内容と、『結果はこれですよ』というサーバーからのレスポンスの内容を見ることは誰にでも出来ます。 具体的な操作としては、画面上で右クリック→デベロッパーツール(開発者ツール等、ブラウザによって多少表現は異なる)として、Network(ネットワーク、通信等、ブラウザによって多少表現は異なる)を選択すると、基本的に全ての通信情報を確認することが可能です。

ここを多くの方はご存知ないのかも知れませんが、ブラウザとサーバーの間での通信内容は割と簡単に確認が可能なのです。

ブラウザ側でのプログラム動作

これもご存知の方は少なからず居るかと思いますが、このブラウザ側で動作するプログラムは多くの場合でJavaScriptというプログラム言語で記述されています。 細かい特徴は省きますが、重要な点としてJavaScriptは『プログラムのソースコード自体がダウンロードされる』ということです。

この点は少々説明が必要かも知れませんが、プログラムを実行する場合には『ソースコード(プログラム言語で書かれた文字情報)を解釈しながら直接実行』する方法(インタプリタ型)と、『ソースコードをコンピューターが実行しやすい0と1の羅列に予め変換しておいて、変換結果のファイルを実行』する方法(コンパイラ型)があります。 例えて言うなら、日本語のWebページを表示してブラウザが英語にリアルタイムで変換して表示するのがインタプリタ型、対して日本語版の情報を元にして翻訳担当の人が予め英語版のページを作成しておいてブラウザは英語版ページを表示するだけという形式がコンパイラ型、というイメージでしょうか。

基本的にJavaScriptは前者のインタプリタ型なので、ダウンロードされる情報は人間が見て意味を理解することが出来るプログラム言語の形式のファイルになっています。 前の例えで言うなら、JavaScriptは日本語ページをダウンロードして英語変換するタイプのプログラム言語なので、日本人には簡単に読むことが出来る形式の日本語ファイルを取得することが出来る、ということです。 この例えで、もしコンパイラ型の言語だとしたらダウンロードしてくるのは英語ページになりますから、中の人のような英語が苦手な日本人としては英語→日本語に翻訳しないと直接読むことが出来ない、ということになります。

ここも多くの方はご存知ないのかも知れませんが、ブラウザ上でのプログラム動作に必要なソースコードは基本的に誰でも取得することが可能なのです。 対して、サーバー側で動作しているプログラムはサーバー内部で動作させているので、外からソースコードを取得することは出来ません(セキュリティホール等がなければ)。

要点

つまり、理解してほしい点としては…

ということ。

ここまでの話でそこはかとなく『空き枠を監視するツール』や『空き枠を見つけたら通知するツール』の開発自体はそんなに難しいものでもないと推測出来るかと思います。 何なら『空き枠を見つけたら自動で予約するツールだって本当は簡単に作れるのでしょう?』くらいに感じますよね。 実際、そう単純でもないのですが…(苦笑

何故こうしないの?あれはどうなの?

ここまでの内容だと何か攻撃されて当然、全く穴だらけの仕組みに見えるかも知れませんが、そこまで危険でもないですし相応に理由や背景があったりします。

この辺は不安や不満に感じる人も多いかと思いますが、何を以て『安全』とするのか、なのですよね。 『非公式システムから空き枠が見えてしまうのは危険だ』と言いたいキモチも判るのですが、そもそも空き枠の情報自体が一般公開されている訳ですし、原理的に公式予約サイトと非公式システムのどちらからリクエストされたのかを確実に判定することは出来ないのですよ。 つまり、ここを追求すると例えば標準的ではない通信方式を新たに開発して維持するような話にもなり、世界でここでしか使わない通信方式ということは全く過去の実績もないし、誰もセキュリティホールの確認をしてくれないし、誰も問題を解決してくれないし、いざ攻撃されたとしてもすぐには誰も手伝えないし、何なら『何で実績があって世界中で維持管理されている標準的な手法を使わなかったの?』と疑問視されることでしょう。 一般の方の感覚だと意外と思われるかも知れませんが、IT系の業界では多くの場合で『ナイショの専用システムを開発して利用する安全性<<<<皆が知っている標準的なシステムを利用する安全性』となることが多いのです(もちろん用途にも依存しますが)。 これは安全性を実現/維持するためのコスト(費用だけでなく、時間や人員、動作実績、関連システムの存在等も含む)を考慮すると、専用だから安全というよりも専用なので見落としがあるとか、専用なので詳しい担当者が会社を辞めると安全性の維持が困難とか、専用なのでアプリ側や監視システム等も全て専用に作る必要があると書くと少し判りやすいかも知れませんね。

いずれにしろ、公式予約サイトでも、ある程度の防御策はすでに導入されていますので、『完全に無防備でもなく、一般利用者に迷惑がかかったり莫大なコストがかかるほどの過剰な防御もしていない』というバランス感覚でしょうか。

何度か書いていますが、『既に一般向けに公開して誰でも確認出来る情報』なので、それを相手次第で隠すことが出来ないとしても危険ということはないですよね? もちろん『予約情報に記載したあなたの個人情報は一般公開しません』という安全性は守られています。 これが現在のブラウザを利用する上での安全性なのです。

サーバー側のお約束構成

基本的にサーバー側がどのような仕組みになっているのか、内部でどんなアプリが動いているのか、どういう挙動をしているのか、こういったことは外部の人間が知ることは出来ません。 もちろん攻撃してサーバー内部に侵入出来ているようなケースではこの限りではないですが、そのレベルまで攻撃されているなら個人情報漏洩やシステムやデータ改ざん等というもっと深刻な状況となる可能性が高いです。 現時点でそういったニュースもなく、公式から特にアナウンスもないので、少なくとも公式が検出可能な範囲でそこまでの攻撃はされていない、とは言えそうです。

だとすると、サーバー側がどんな構成でどんな挙動をしているのかはあくまでも推測の域を出ませんが、それでも一般論としてこうであろうという推測や、外部から見える挙動からの推測は可能です。 この項はそんな推測の話です。

大体はこんな雰囲気の三層構造

ということで単刀直入に、一般的なWebサイトのシステムのお約束構成です。

なんて書いてもなかなかピンと来ないかと思いますので、例によってTDRのパーク内レストランで例えましょう。

これがサーバー側の内部構成のお約束的な構成ですね。 細かく言うなら色々と工夫している部分が他にもあるとは思うのですが、大まかな基本構成としてはこんな感じになりがち、ということです。

あの現象はそういうことだったのか!

前の三層構造をイメージすると、今まで何となく理由が判らなかった挙動も説明出来るケースが増えてくるのではないでしょうかね。

何故こうしないの?あれはどうなの?

お散歩大好き棒人間の待合室

大まかには前の項目で記載したような三層構造としていると思うのですが、TDR予約サイトの一括開放による予約開始タイミングには想像を絶するほどのアクセスが集中すると思われます。 どうやっても捌ききれないので、以前はコッソリとサーバー側で抽選して中に入れる人を選択する仕組みでしたね(入れない人には高負荷を示すエラー画面が表示される)。 それが現在は待合室に変更されて、時間を経過すると中に入れる、というシステムになりました。

挙動や対策の詳細は待合室のページに記載どおりなので、この項では動作上の仕組みを考察してみましょう。

待合室は三層構造の前段

まず、基本的なこととして待合室は前述の三層構造のサーバー側システムのさらに前段に配置してあります(厳密に言うと色々な表現の仕方があるのですが、あくまで判りやすさ優先のイメージで)。 つまり、ブラウザは一番最初に待合室のサービスにリクエストを投げている、というのが実情です。 この時点で待合室では『現在の負荷は待合室を展開すべきか?このブラウザは待合室を抜けたか?』をチェックして問題なければ、後ろにいる実際の処理をするサーバー群にリクエストを通してあげる、そんなイメージですね。

はい、これもレストランで例えるなら、レストラン入口の外側に立っているご案内キャストさんみたいな感じです。 『レストラン内を見渡した感じの混雑状況』と『当日の入園者数等の状況から導き出した混雑予想』の2つに従って、ゲストをスルーして入店させるか、レストランの外に並ばせるかを判断します。 つまり、『今日はダッフィーグッズ発売初日でスーベニア狙いのゲストが大量に来る』と予想されるなら早めに外に列を形成させる(1時間前から待合室送り)し、『今日は平日で灼熱の猛暑日、入園者数も少ないからあまり混雑はしない』と予想するならレストラン内にスルーして入ってもらう(待合室スルー)、という感じですね。

ただ、入口のご案内キャストさんは全ゲストそれぞれの注文内容を確認したりはしませんし、レストラン内の状況も外で待っている行列の人数も大まかに眺める程度しか把握は出来ません。 よって、ご案内キャストさんに『この待ち行列は何分くらいで入れますかね?』と聞いても正確な回答は期待出来ません。 仮に『大体1時間以上ですかね』と目安を教えてもらったとしても、実際には10時間待ちとかもあり得る、ということです。

これは例えば、レストラン内を見た感じでは混雑はそこそこだったとしても各ゲストが非常に手間のかかる注文を大量にしていて行列が進んでいかない、レストランの外に作った待ち行列に案内した人数はざっくり把握していても『多分これくらいの人数は諦めて離脱するだろう』という見立てがハズレて予想より多くのゲストが待っている、等々の事情で予想は大外れする、という感じですね。 あくまでも店内をチラっと見る程度、外の列を眺める程度、個々の事情は把握していませんしリアルタイムに行列状態や店内から出ていく人数を把握している訳でもないようですから、精度に期待してはいけませんね。 ただ逆に言うと、詳細な情報確認や難しい状況判断は一切していないので、ご案内キャストさんは短時間で『並んでください』『中でお待ち下さい』を判断出来ますし、数人のキャストさんでも莫大な人数のゲストを短時間にご案内することが出来ます。

何故こうしないの?あれはどうなの?

空き枠の自動監視システム

つまりは公式が提供しているシステム以外の、一般利用者による非公式な空き枠の自動監視システム、ということですね。 これは良くも悪くも議論のあるところですよね。

これまでの内容から空き枠の自動監視システム自体を作るのはそこまで難しいことでもないとご理解いただけたかと思います。 ある程度の知識と時間がある人なら難なく作り上げることが出来るでしょう。 (ただし予約確保まで自動で進める前提となると多少難易度は上がると考えられます)

その挙動をシンプルに言うと、予約サイトにアクセスしているブラウザのフリをして空き枠確認のリクエストを投げて、受信した結果に空き枠があれば何らかの方法で通知する(Xに書き込み/LINE送信/Webページ公開等)、これをひたすら繰り返すというだけです。 精度はリクエスト間隔を短くしたり、同一のプログラムを複数起動したりすることでリクエスト数を増やせば、発見までのタイムラグが短くなり空き枠検知の精度も上がりますね。 シンプルなシステムであれば、ブラウザよりも軽い動作でこれらを動かすことも可能なので、複数起動させることも難しい話ではなさそうに思います。 もちろん公式側が用意した細かな罠を回避する必要はありますが、単純化してしまえばこれだけの仕組みなのですよね。 そして空き枠情報は公式予約サイトが世間一般に対してインターネットで公開している情報ですし、ここまでに説明した通りで監視に必要な情報の入手自体も比較的単純なので、監視するリクエストとレスポンスの検証の仕組みの開発はあまり困難なことではありません。

むしろ逆に、こういった自動監視システムからのアクセスのみを公式の予約サーバー側で防ぐ方が原理的に極めて困難です。 極論するなら、これを防ぐために連結決算で赤字になるくらいコストをかけても良いのか、一般の利用者にも現在より不便な仕組みとしても良いのか、というレベルですね。

何故こうしないの?あれはどうなの?

レストラン空き枠の自動監視システムの可能性

あまり見かけないですよね、プライオリティ・シーティング対応レストランの空き枠の自動監視システム。 公式予約サイトと違ってレストラン売上によるシステムコスト負担を意識する必要がないITに詳しい一般の皆様なのですから、誰かしら作っていても良さそうなものだと思いませんか?

もちろん、これには理由があります。 細かいことを言うと面倒なので単刀直入に言ってしまうと、宿泊予約は『1ヶ月分』の空き枠を1回のリクエストで取得する比較的自由度の高い方法が存在しますが、レストランの空き枠にはそれがないようなのです。 つまり、レストランの空き枠検索をするには1回のリクエストで1日分の空き枠を取得する機能しか存在しないので、仮に3ヶ月前開放だとするとおおよそ90回のリクエストで90日分の空き枠を取得する必要があるのですよね。 対して、宿泊予約なら4ヶ月分の取得は1ヶ月分ずつ4回のリクエストで空き枠を取得することが可能なので、単純に空き枠の検索という意味では宿泊予約の方が圧倒的に少ないリクエスト数で対処が可能なのです。

なお、厳密に言うと宿泊特典(いわゆる宿泊枠)のレストラン空き枠は別に存在しますので、こちらも観測するとなると一気に呼び出し回数が増えそうです。 中の人も詳細に調査はしていませんが、宿泊枠の確保はトラベルバッグとなるかと思うのですが、トラベルバッグからだと1回のリクエストで1レストラン1日1時間帯(朝昼夕)分の情報しか取得できないようです。 しかも宿泊枠なら4ヶ月前から検索可能なはずなので、概ね120日分×2(主に昼と夜)×宿泊枠対象レストラン数となるので全体を見ようとすると途方もない回数のリクエストが必要になりますね。

宿泊枠は除外するとして、もしレストランの空き枠確認で全期間検索したいなら90回のリクエストが必要で、高精度で検出するにはかなり短い間隔で90日分の確認をしたいので、どうしても同じ空き枠監視プログラムを大量に並列動作させる必要があります。 ここで効いてくるのが、前にも記載した『特定のIPアドレスからのアクセス数があまりにも多いとエラー表示して、しばらくそのIPアドレスからの通信を禁止する仕組みは既に入っている』という点です。 さすがに90日分のリクエストを並列処理して大量に呼び出すと、この制限にかかってしまいますね。

対策としては単純で複数(あるいは大量)のIPアドレスを用意すれば良いのですが、これを無料で実現するのは結構困難だったりします。 逆に言うと、金銭的な問題(と公式予約サイトにかかる負荷)を無視することが出来るなら、レストラン空き枠検索システムも比較的シンプルな方法で実現は可能だと思います。

もう少し穏便な方法としては、空き枠監視の対象期間を短く取ってリクエスト数を減らす方針もあるかも知れませんね。 あるいは、空き枠の検索対象レストランの数も絞り込めば、公式予約サイトの負荷も多少は下がるかも知れませんか。

とは言え、こういった事情もあるので、レストランの空き枠の自動監視システムの方は作るのは簡単でも罠を避けつつ動かすのが面倒なので、現状ではなかなか難しいのではないでしょうかね。 もし、レストラン1種類分でも良いので1回のリクエストで1ヶ月分の検索が可能な手法が見つかれば、レアなレストランだけでも監視すれば良いのでレストランのキャンセル拾い界隈も一気にシステム化が進むかも知れませんが。

何故こうしないの?あれはどうなの?

中の人的な近況とか感想とか

この項のみ、多少専門用語が出てきても解説はせず、思うがままに意見を記載する無差別級な話題です。 最近は中の人もあまりモチベーション高く予約サイトを見ていないので、あれやこれやの駄文ですね(苦笑

現状の攻撃側

少なくとも、DBに直接アクセスするようなセキュリティホール(SQLインジェクション等含む)は今のところ見つかっていないと思います、というか思いたいです。 なので、基本方針はブラウザが叩いているWebAPIベースでの争い、これが現状における広義の『攻撃』というところでしょうね。

よって、理屈上はアクセスログを見ればある程度の特定は可能なので、それなりに攻撃側の目星はついていると考えて差し支えないかとも思います。 それでも明確に何かペナルティをもらったという話を聞いたこともないので、今のところ公式の動きはなさそう、ということになるのでしょうね。 許容しているというか目をつぶっているというか、内部事情は謎ですが、以前は大っぴらに攻撃手法の開示や金銭の授受を謳っていたりも見かけましたが最近はどうなんでしょうかね。

現状で目につきやすい自動監視システムはさておき、問題は予約確保までの自動化、システム化でしょうかね。 ぶっちゃけ、人間による手動操作で出来ている以上、ある程度の自動確保は可能だと思いますし、実際に確保までしている人も居ると考えるのが妥当でしょうね。 特に11時直後とかは相変わらず手動ではあり得ない速度で掴まれたりしているのでしょうかね、最近は本当に全く様子を見ていないので不明ですが。

アプリ専用サイト

アプリ側に情報を提供している部分、具体的にはアトラクションの待ち時間や通販サイト系の情報ですが、ここもさっくり解析されているのでしょうね。 中の人は一切見ていませんが、Charlesで抜いてしまえばSSLでも通信内容を自分で覗き見ることは恐らく可能だと思いますので、この辺からWebAPIを追跡して抜き出すことは可能でしょう。 自分で意図的に中間者攻撃を成功させる手法は如何ともしがたいですし、SSL自体が自分を中間者にする攻撃を守る必然性もないので仕方ないところですが。 なお、もしかしたらAndroidやiOSの開発者向け機能等の何らかの操作でもWebAPIを抜けるのかも知れませんが、中の人はアプリ側は全く詳しくないのでそちら方面にも穴はあるのかは判りません。

という状況なので昨今の雰囲気からすると、この辺も解析されて通知するような仕組みは存在していると見て良さそうでしょうかね。

繰り返しますが、中の人はこの辺を一切見ていませんし、見る予定もないですね。 情報提供サイトを作るくらいならアプリを起動してもらった方が良いですし、アトラク待ち時間の過去情報を積み上げて何かしようとも思いませんから。 また、通販の販売情報の方もアプリで見れば良いレベルでしょうし、早いもの勝ち購入は入園必須ですし、以前の20周年ピース・オブ・ザ・ドリームに懲りて40周年ピース・オブ・ザ・ドリームは先着順ではなく抽選にしましたので解析してどうにかなるものでもないでしょう。 そもそも、そこまで細かな価格変更や売り切れ情報が必要な層といえば、いわゆる転売屋さんくらいなものではないでしょうかね。

まぁ、本気で広告収入を狙いたくなったり、転売屋さん相手に商売を考える(あるいは自ら転売屋で一旗揚げる)なら、調査分析サイトのようなものを作っても面白いかも知れませんね。

待合室と遊ぼう

以前は純粋に面白そうだった待合室の攻略ですが、こちらはモノがシンプルなだけに付け入る隙が少ない気はしますね。 スプホ一括開放の頃はここを抜ける手法さえあれば前述の予約確保勝負に持ち込めたのに、という人は多かったかも知れません。 中の人としては自分が確保したい日程においては全く困ることがなかったので良いのですが。

そう言えば、夏頃にトラベルバッグページを素通しさせるという暴挙がありましたが、この素通りになるページを間違えて設定してくれると大きな穴になりそうではありますね。 さすがに今後はそういった設定ミスに期待するのも難しいかも知れませんが。 むしろ、宿泊予約を掴んだ後のワンバケ選択ページで待合室に戻す設定は変更するべき、だと思うのですが…(苦笑

とりあえず、普通に完全スルーしようとしても、初手のシンプルなCookie判定(でしょうかね?)される部分を抜けられないことには如何ともしがたい気がしますね。 伝統的な攻撃手法としてありがちなUser-Agentをサーチエンジンのロボットにするとかも塞がれていると聞いたこともありますが、最近はどうなのでしょうかね。

で、中の人の現状としてですが、正直なところ完全に待合室をスルーする方法を調査するモチベーションもあまりないのですよね。 最近は割と短時間で入れてしまいますし、長時間のキャンセル拾い監視をするつもりもありませんから、必要なときに入れるなら全く問題にならないのですよね。 以前のスプホ開業時の予約争奪戦のようなレベルの血沸き肉踊る楽しげなイベントは当分なさそうですしね。 強いて挙げるならクルーズ予約争奪戦辺りでしょうか、現在の予約サイトの対象とするのかは不明ですが。

車輪の再発明よりは

既に自動監視システムを作成された方のサイトは存在するようなので、敢えてこれを作るのも面倒な話ですよね。 ちょっとした趣味の延長や内部挙動を見るための教材ならともかく、敢えて本気で作る必要もないように思われます。

とすると、むしろ既存の自動監視システムからトリガーさせて予約を掴む、というような仕組みを作るような方針を採用する人が遠からず現れる(あるいは既に存在する)のではないかと推測します。 待合室や諸々の制約を考慮すると超えなければならないハードルはありますが、車輪の再発明をするよりは興味を惹かれるところではないでしょうかね。

仮に自動監視システム側から締め出されたとしても、そうなってから諦めて自前で実装すれば済む話ですし。

『監視機能は既存のシステムに任せて、予約だけを誰より早く掴み取るシステム』という響きは、これもこれで宗派に関わらず予約界隈の人が聞いたら激怒しそうですが(苦笑


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